CONCEPT
人に 自然に やさしく
Brewed for people, from nature.
サステナブルなブルワリーを目指して
暁ブルワリーは、2016年東京都世田谷区で発泡酒免許を取得し、自然栽培農の生産者の果実や野菜を用いた健やかなビールを目指して誕生しました。
私たちが岩手県を訪れたのは、2011年の東日本大震災の支援活動がきっかけでした。暁ブルワリーという名前も宮古市田老のわかめ舟から見た暁から名付けられました。
「暁」は、日が昇るほんの少し前の夜明けのことです。田老の黒い海の水平線を日の光がうっすらと照らしはじめ、だんだんと赤く染まった雲が優雅に舞う龍のようで、その姿に絶えず変化をしながら生まれ変わる未来への可能性を感じました。
2020年9月8日、岩手県八幡平市に 暁ブルワリー八幡平ファクトリーを新たに開業しました。日本では珍しいオーガニックビール専用の醸造場として新しい一歩を踏み出すこととなりました。
暁ブルワリー八幡平ファクトリーは、岩手山の麓にある自然豊かな郷山にあります。「人と 自然に やさしく」というコンセプトを実現させるにふさわしい土地です。天からの雪や雨が岩手山の深い森で長い間眠るように蓄積され、湧水となってこの地を潤します。
この岩手山の豊かな湧水は、日本名水百選のひとつで「金沢清水湧水群」と呼ばれます。この辺りには七つの水源があります。七つの頭をもつ龍の伝説があり、地底に棲む龍が郷を見たさに頭をもたげたところから水が湧き出したと言われています。
このミネラルを豊富に含んだ水はビール造りには最適な水です。毎時およそ450tという豊富な湧水量も魅力です。この水に導かれてこの地に醸造所を構えたと言っても過言ではありません。
また、醸造のエネルギーは八幡平地熱を用いています。まさに山の火と水の恩恵を受けた醸造所なのです。
2022年12月、この地熱と岩手山の水で仕込まれた有機ビールは、ビールの分野では日本初の有機JAS認証を取得しました。なぜオーガニックなのかとよく聞かれますが、オーガニック、有機であることは土壌の生態系を育むものであること、自然環境保全の基礎になるからです。天然水とオーガニックと地熱発電。この三つの軸で「人に自然にやさしい」ビールをつくりたかったのです。
暁ブルワリーのビールは、大きく二つのブランドがあります。
八幡平の豊かな自然に敬意を表した「地域由来のビール、ドラゴンアイ 」。ドラゴンアイ とは八幡平山頂にある鏡沼のことを指しますが、雪解けの鏡沼が雪原に浮かぶ龍の目のようにみえることから名付けられました。今では八幡平一の観光名所となりました。
もう一つは、日本の食文化を基本とした「日本由来のビール、さくら」。日本ならではのアイデンティティを追いかけた清酒酵母だけで発酵させるビールや有機茶葉を使用したビールを作っています。
これからの計画として、地熱エネルギーの活用はもちろんのこと、豊富な水量をつかった小水力発電でゼロエミッションを目指していきたいと思っています。庭にはビオトープの復活、ビオレストラン、ビオゲストハウスの設置など、オーガニックビールを通じてロングライフサイクルを実践できる場にしていきたいと思っています。
今後も人と自然と共に育むサステナブルなブルワリーを目指します。